FinalCutPro – 7からXになってしばらく使ってみて思うこと

FCP7-10
FinalCutがXになってからもうすぐ4年。
最近になってようやくXになって初めてのFCPが使われたハリウッド映画が公開されたというニュースが話題になりました。
スクリーンショット 2015-03-28 13.05.17
(apple公式サイトから拝借)
そもそもなんでMacの編集ソフトのスタンダードであるFinalCutなのにこんなに時間がかかったのでしょうか?
それはXが出る前から7で編集していた人が感じたであろう”使いにくさ”にあります。
(Xから使い始めた方にとってはトランジションやmotion素材も直接確認できたりするのでとても使いやすいかもしれません。)
自分も今はXをメインで使っていますが、7からXに乗り換えるのを決心するまでに3年くらいは使えませんでした。
ただ、7が(64bit非対応のためパワーの必要な編集はすぐに落ちるし、appleからのアップデートもされないため)あまりにも非力になってきてしまったので仕方なくというところもありました。
今回はFCP Xがリリースされてからもうすぐ4年、そして私がXを使い始めてから1年になるので節目ということで使ってみて思うことなどを書いていきたいと思います。

7からの改革で失ったものが多すぎるが使うことにした理由


 

もうここら辺のことはリリース当時から色々な方からたくさん不満が出てきていたので、説明することもないですが。。
自分のことを言えば、ずっと7を使っていてXが発表された時は結構ウキウキしていたんですよね。
今までと全く違う未来的な感じのするUIに魅了されていました。
ただすぐに「あれ?これiMovieみたいだな」と感じるようになりました。
実際リリースされてから「これはiMovie Proだ」といったようなレビューがたくさん出てきました。
しかも最初の頃はFCP Xをインストールすると過去の7などのアプリが統合されて使えなくなってしまうといった状態。(今では7などの下位バージョンは残ります。)
しかも7以下のプロジェクトデータをXでは開けないというNO互換というおまけ付き。
機能もマルチアングルすら使えなかったりとこれでProと言えるのかという出来栄えに批判が殺到。
そんな状況があり、私は導入を控えることにしました。
もしかしたらこんな感じだし、7も引き続いてアップデートされるのかもしれないとも思いました。
しかし、7はアップデートもされないまま、Xの方は少しづつ7で使えていた機能が使えるようになり、
映像も4Kなど技術が色々と進んでいく中でどんどん7が使いずらくなっていき7をそのまま使う人、Xを使う人、他のソフト(Premiere)を使う人で分かれていきました。
次第に「このまま7を使っていても対応できなくなる部分が多くなるし、OSも年1でアップデートされて落ちる頻度も上がったし、いつ見切りをつけられて使えなくなるのかわからない。どこかで決断しないといけない。」と思うようになり、昨年から全ての編集をXに変えることにしました。
Aftereffectsも使っているのでいっその事全てadobeにしようかとも考えたのですが、
それでもやっぱりappleが好きなのでという気持ち悪い理由でXを使うことにしました。

データの管理から違う


 

FCP_kanri
7を使っていた時はファイルの管理はまず新規プロジェクトを作り、
設定でアートセーブデータなどの全てのプロジェクト関連データを「FCP_案件」というフォルダを作って入れていました。
そして素材は「SOURCE_案件」、マスターデータは「OUT_案件」、変換データは「EED_OUT」というフォルダを作って案件ごとにひとまとめにすれば外付けで使っても他のPCからもプロジェクトは進めていけました。
プロジェクトもビンといったFCP内のフォルダを作って素材をまとめたりとFinderにも近いのでかなり使いやすく整理もしやすかったです。
しかし、Xではその管理が(というよりか名前というか概念というか、、)が変わり、まずライブラリという核となるものを新規作成してその中でプロジェクトを作ります。
取り込んだ素材はイベントという項目に入り、FCP7でいうビンに近いものはキーワードorスマートコレクションになっています。
当初、まずライブラリの概念があまり理解できなかったのと導入した直後にアップデートされてまた少し変更されたりしてかなり苦戦しました。。
また今まで「FCP_案件」として作ってきたまとめフォルダはライブラリに取って変わりました。
ただし、バックアップに関してはライブラリに入るわけではなく、何もしないとMac本体のムービーフォルダに入ってしまい容量を食うし、他のMacで使うときにはバックアップもない状態になってしまうので、それ用に新しいフォルダを作らないといけません。
自分は「BACKUP_案件」というフォルダを作りぶち込んでいます。
さらにライブラリには今まで「SOURCE」というフォルダで例えばロゴ素材とか外部からもらった素材を入れておき、FCPのイベントに入れていたのですが、そういった素材もコピーされて入ってしまいます。
要は二重に素材が入ってしまうわけで容量を食ってしまいます。
それなら「SOURCE」を消しちゃえばいいんじゃない?と思うかもしれませんが、ライブラリの取り込みフォルダは撮影素材とかも全て入っている状態なので、カオスな状態です。
なので整理するためにも「SOURCE」は必要です。
フォトショなどのデータは映像以外の用途で使う場合もありますからね。
DVDのジャケットを作るときに「SOURCE」の素材を使うとか。。。
ちなみに素材を取り込む時にライブラリにコピーせずに使うことはできます。
だったらいいじゃないとまた言われそうですが、、当初コピーせずに使っていたのですが、他のMacで使うと編集の画像データなどの素材が注意マークになり「データがありません」的な表示になってしまうのです。
最初に使っていたMacでは問題ないし、データも「SOURCE」にあります。
ということでコピーして使わざるを得ません。(なにかいいやり方があれば教えて下さい)
とこんな感じで管理方法にはとても苦労しました。

なくなった機能をよく使っていたことに気づく


 

FCP_change
リリース当初、7で使えていたのに使えなくなっていた機能が多かったことも話題になりました。
マルチクリップ編集はその代表例です。今では使えるようになりましたが、、、
そのマルチクリップ関連で個人的に使っていたのがクロップのエッジをぼかす機能です。
2つのアングルを同時に出す際に、一つのアングルは全体を映し、その空いたスペースに寄りの画をエッジをぼかしつつ入れていたのですが、
その機能もなくなってしまったので代わりにグラデーションマスクを使ったり、FxFactoryという有償のプラグインでエッジをぼかさなければなりません。
グラデーションマスクは四方にかけなきゃいけないので重くなるし、面倒くさいのと、FxFactoryのプラグインも小さくしても通有情サイズでぼかされてしまうなど色々と制限される部分があり、使いにくいです。
アップデートで追加されるのを期待していましたが、追加されることはこれだけ待っても出てこないのでなさそうな気がします。
appleさんぜひ追加してください!!
そして一番イライラするのがストーリーボードなるもの。
例えば二つのクリップをディゾルブなどのトランジションでつなげると黒い枠ができて2つのクリップを囲みます。
これが厄介。
というのもストーリーボードの中の素材まで選択されると動かせないのです。
なので、例えばTLの素材を全て動かしたいときに全選択するとストーリーボードと中の素材が選択されているので動かせず、いちいち中の素材の選択を解除してストーリーボードだけが選択されている状態にしないといけません。
しかもストーリーボードの中の素材を途中でカットすると間は開かずにそのあとの素材がくっついてしまうので後ろに並べているTLにズレが生じ全てやり直しなんてことになりかねません。
こんなことはFCP7にはなかったことでこれにはかなり戸惑いましたし、未だにイライラさせられています。
あとは付属のアプリがなくなったことも不満が残ります。
その代表例はDVDStudioPro(以下DSP)。FCP上でDVDの書き出しもできるようになりましたが、DSPのようにメニューをカスタマイズしたりできないのでDVDを制作販売する人にとっては使えものにならずadobeのEncoreやToastなどのソフトを使わないといけません。

と、こんな感じで不満を挙げろと言われれば何個でも出てしまいそうなFCP Xですが、トランジションが簡単に確認できたり良い点ももちろんあります。
またプラグインもかなり増えているのでそれも良いです。
ただやっぱりもしFCP7がアップデートされるのなら私は迷わず7に戻ります。
(しかも最近7を使う機会がありその使いやすさに改めて7まではいいソフトだったんだなと感じました。)
比較の面でも逆に7では良くなくてXではいい部分もあります。
例えばTLを再生している際に、他のアプリやフォルダをいじってもとまらないというところです。現場で映像を流しながら資料をみたいときなどに再生を続けてくれるのはとてもありがたいです。
7では他のアプリなどを出すと止まってしまうので常にFCPのTLをメインウインドウにしておかないといけません。この間、現場で7を使っていて再生中に他のアプリを使いそうになり「やばい!7だと止まる!」と思い出して冷や汗をかきました。笑
こんな感じでいい機能もあればよくない機能もあるFCP Xですが、今後apertureみたいになくならずにこういった小者の記事も読んでくれて7とXの良さを引き出した使いやすいものしてくれたらなぁと願っています。
ではまた!

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